内容説明
三国志の定番、吉川英治の名作を、単行本で大きな活字で味わいたい、という読者の要望に応え、全10巻を順次刊行。
スケールの大きな構想、美しさ、リズム感、臨場感のある文章は、吉川英治の『三国志』の大きな魅力です。
成功し、失敗し、泣き、笑い、苦労する登場人物の姿には、生きるヒントがあふれています。
あの感動を、読みやすい、大きな文字でお届けします。
安楽は、青春の敵だ!
『三国志』の英雄たちには、逆風、逆境が次々に押し寄せる。それでも屈せず、嵐に向かって突き進む潔さは、心地よい感動を与えてくれる。
劉玄徳、曹操に続き、呉に立った孫策も同じだった。17歳の時に父が戦死し、国が崩壊してしまう。全てを失った孫策は諸国を流浪する。しかし、平和な日々に、忠義な家臣が諫言する。
「温床に甘えてはいけません。あなたを甘やかすもの、愛撫するもの、美衣美食、贅沢な生活。すべてあなたの青春を弱める敵です」
青春21歳、燃える孫策は、「何不自由もない今の温床を脱して、生きがいのある苦難と闘う時代の子」になると決意。わずか兵3000を借りて進撃し、次々に江東江南81州を治め、呉の基盤を築いたのであった。